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【触受】ライ麦畑でつかまえて・・・

世に有名で、題名だけは知っていたサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」。拝借後手元においてずいぶん時間が経つ。
読み出すとかなり読みづらく、サリンジャーの「ナインストーリーズ」を読んだ後では、この小気味悪さが私に読む気を失せさせた。ただ、根底に流れているサリンジャーの「作品の特異性」みたいなものは感じるのだが、その正体がわからず、ただ本を寝せておくばかりだった。

果たして・・・これを子供のころ読んでいて、共感できただろうか?感動できただろうか?どうして皆そう感じるできることができるのだろうか?もし、もし・・読んでいたら・・正直きっとよくわからない、ですんでいたのではないかと思う。

長い時間が経って、全部読み終えたのだが、あとがきを読んでようやく全体がわかった気がした。

この文学の評価される点の一つは「50年代のアメリカの若者の口語を写す貴重な資料」であるということ。ということは・・・私のなかなかとっつけなかったこの文体は、結局原作のまま読まないではわからないということなんだろう。或いは「若者」を離れたものにはこの乱暴な言葉にある主人公ホールデンの隠されたナイーブさを感じ取ることができないのかも知れない。

私のなかで主人公の人物像を捉えることがなかなかできなかった。
ホールデンはただ、弱いのに強がって、できないのに出来るフリをして、裕福だから失敗しても甘えられる、そんな若者のようであった。ただ、気になったのは、自分の実の妹である10才の女の子のことを偏愛しているということだ。彼は妹を「クール」だと表現する。いわゆる、やってることや考えがかっこよくて賢くて、そして尊敬に値するということだ。本当はそこから彼を理解していかなければいけなかったのだろうけれど、最後の最後にならなければ「本当の彼」を見つめることができなかった。

ほんとうのところ、彼は物理的に可能なことを心情的にあえてしたくなかったのだった。勉強だって、仲間とうまくやっていくことだって、できないことではなかった。ただ、そうすることは自分の感情をだますことになる。それが耐えられなかったのだった。
人は過去を忘れていく。そうしてオトナになっていく。悲しみを増やしては生きていけないから、いつの間にか忘れていくように、都合の悪い感情を忘れてオトナになっていく。

オトナになっていくことは進歩をしていくといえるのだろうか。

私はスガシカオの「マーメイド」を思い出した。
オトナになるために人は人魚の肉を食べる。それはとても強烈なにおいで、子供の敏感な嗅覚には耐えられないのだ。

オトナからは人魚の臭気が漂う。
どんなにネクタイをして、或いは化粧をして自分を隠したとしても。

それでも彼は、ようやく自分が人魚の肉を食べなくてはならないのだと覚悟したのだ。
でも・・・彼は言う。オトナの臭いをまとうことができないまま、ぎこちないままの感情で。

「できるなんていえればいいけど、でもやってみなきゃわからないだろ?誰だって。」
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