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直島・地中美術館あたりから。(中)

一般的に「美術館」といえば、ある季節に特別展として何らかの作品が持ち込まれ、そして、期間が終われば次の展覧会が行われる。季節を転じれば所蔵品が入れ替えられ、そして、また展示場所に絵が持ち込まれて、展示される。これはまるで絵画にとって、あるいは芸術作品にとっては仮衣を着ている状態とも言ってよいのかも知れない・・・この地中美術館を訪れてそう思うようになりました。

普段私たちが眼にしている作品は「プレタポルテ」を毎回着せられているのです。しかし、地中美術館の作品は全員が「オーダーメイド」の服を着ているのです。作品がどのように見えるか、すでにその時点で決まっているようなものです。地中美術館は福武総一郎氏がモネの睡蓮の大装飾画を購入したときに構想された・・・とありますが、「この画に一番ふさわしい装飾を」・・・つまりこの画の芸術的価値が一番すばらしく高められるように、美しく見えるように、そのために部屋を誂える。そういってよいでしょう。

DSCF1650.jpg


モネの部屋は印刷物などの画像で見るのとは別に、実際に入るとすべてが整えられていて、たとえば床には一つ一つ手作業で削られた小さなさいころ大の大理石が一面に敷き詰められていて、しかしそれらは画一化されておらず、一つ一つが違った色と表情を持ち、空間に「ぼかし」のような変化を与えて、モネの絵に温かみを与えているように思います。入室の際にはすべて履物を脱ぎ、やわらかい裏地のついたスリッパに履き替えて音を出さないように、床をすり減らさないようにしなければなりません。これはいうなれば美しくデコレートされたケーキを食べるときに最適なよく手入れされたナイフで美しくカットし、見た目も堪能しながら少しずつ味わう・・そんな心地に似ています。モネの絵はここでは寂しそうではありません。なぜなら冷たい人工的な光源でなく、強い日差しでなく、弱い光の中でも白くやわらかな空間が光を反射・増幅させて、いつまでもモネ独特の余韻を心に残していくようです。

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